3月15日 午後

成瀬一夫氏(元氣農業開発機構幹事長、環境農業新聞代表)による岩元睦夫氏の紹介

午後の講演開始に先立ち、元氣農業開発機構幹事長 成瀬一夫氏より、岩元睦夫氏のご紹介がありました。

 

「私は40年ほど新聞記者をしています。これから講演される岩元氏とは、二十数年来の付き合いです。岩元氏は、国際農林水産業研究センターで理事を務め、世界の農業問題などに取り組むなど、様々なポストを歴任されてきました。東日本大震災が起こった3.11の1か月半後、岩元氏から被災地に一緒に行こうと誘われ、東北農政局などの方々とお会いしながら被災地を回りました。陸前高田市では、市長の要請を受け、地元企業のPRをするためのシンポジウムを開きました。その他、東北の復興のために、岩元氏は様々なことに取り組んでいます。岩元氏には、由井大会長にぜひ会っていただきたいと思い、ご紹介しました。」と気持ちをこめた紹介がなされ、岩元氏の講演が開始されました。

来賓講演 岩元睦夫氏
「自然との共生社会における『農』の役割」

午後の最初の発表は、農学博士で、元 農林水産省農林水産技術会議 事務局長 岩元睦夫氏。

 
 

東日本大震災から3年が経過した今。この機会に「自然との共生」という観点から、日本のこれからの「農」の役割についての講演です。幕末以前の日本は、「農は国の基」という農本主義に基づき、国策として農業が重視されてきました。しかし、明治以降は工業が発達。戦後に先進国となるまで、日本における農業の位置づけや食料自給率は、徐々に低下していきました。現在、40%にまで下がった自給率を上げるには、供給を増やすのももちろんですが、国産食品の消費も増やす必要があります。しかし、欧米型の食生活に慣れた現代は、食品や飼料の大部分を外国からの輸入に頼らざるをえない状況です。農業には、農産物輸出入などの経済活動や食糧を供給する「業」の機能だけではなく、自然・環境の保全や、伝統技術を継承する「農」の機能もあります。現在の日本の農業は、経済規模的には非常に小さいものですが、国民の食料を支えるために、不可欠なものです。成熟した日本社会のこれからの課題は、「持続可能社会」が大きなテーマです。持続可能社会を実現させるのは、低炭素社会(省エネ)、自然共生社会、循環型社会(リサイクル)の実現が不可欠です。これらは、日本の農業が大きくかかわっていますと日本の農業の大切さを熱く語られました。

基調講演 由井寅子大会長
「自然な農業と自然な食へ 日本の現状」

1日目の最後の講演は、いよいよ由井大会長による発表です。

 
 

由井大会長は、ホメオパシー療法で様々な患者に接するうちに、次のようなことに気 づいたそうです。 罪悪感を持っている人が多かったということ。 予防接種が多くの慢性病や発達障害の原因(医原病)となっていること。 そして、化学物質まみれの食事(食原病)を、自然のものに変えると症状が大きく改 善するということ。 由井会長は元々、愛媛県の農家のご出身。会長のお母様は、 「農業をやってきたから、なんとか生きてこられた。土と種は一番大事」だと、 由井会長が小さい時から言い聞かせてこられたそうです。 また、東日本大震災で、自ら被災地に向かった時、一番必要とされたのは、食べ物 でした。有事の時にまず必要なのは食べ物なのだと痛感したということです。 しかし、現在の日本は、食料自給率が低く、農家に対する国の援助もほとんどありま せん。そして、農業人口は減る一方です。 こうした現状を踏まえ、国力と国民の健康の基となる安心・安全な農産物作りのた め、自然農を実践するべく立ち上げられたのが、日本豊受自然農です。豊受自然農の 農業では、会長が長年取り組んできたホメオパシー療法の理論がふんだんに取り入れ られています。 ホメオパシー療法でも使われているハーブエキスやレメディー。これらは、ホメオパ シー自然農で、大きな成果を上げています。 その他、様々な環境対策のためのサポートチンクチャーや、野菜から作られた化粧 品、太陽熱・地熱発電を使った新工場の建設などに関しても発表されました。 ホメオパシー自然農の研究は、ますます発展しつつあります。 農薬や化粧品による害がホメオパシーによって改善されたケースも発表され、 多くの参加者が感銘されたようです。そして最後は、盛大な拍手に包まれ講演を 終えました。

パネルディスカッション

由井寅子大会長およびゲストの方々によるパネルディスカッションが開催されました。開始に先立って、由井寅子大会長より、私は先ほど発表したばかりであり、本日のゲストの皆様からコメントをいただきたいとのことで各々のゲストの方に、今回のシンポジウムの感想やご自身の考えを語っていただきました。

<パネルディスカッション参加者>
由井寅子(大会長 日本豊受自然農代表・農民)
小名木善行(日本の心を伝える会代表、国史研究会代表)
岩元睦夫(農学博士、 元 農林水産省農林水産技術会議 事務局長)
成瀬一夫(元氣農業開発機構幹事長)
小谷宗司(薬剤師 自然科学研究所 理事長)

  
 

■小名木善行氏
先ほどの由井大会長の発表で、戦争は食べ物がないときに起こると仰られましたが、19世紀のイギリスの経済学者トマス・ロバート・マルサスも著書の『人口論』で、同じ説を唱えている。『人口論』は第二次世界大戦が起こる150年も前に、この本は書かれた。現在の人口は70億。ここまで爆発的に人口が増えたのは、小麦の生産高が激増したため。日本で品種改良された小麦農林10号が、世界の小麦の生産を激増させることになった。これは明日、発表します。

■成瀬一夫氏
私は、民間の英知を結集して日本の農業を元気にする目的で、元氣農業開発機構を立ち上げた。 また、私は、12年前に環境農業新聞を作った。その時、日本各地で農業の現状をこの目で見て、日本の農業の未来が心配になり、水と土をキレイにしなければならないということを痛感した。 現在、アトピーや花粉症などのアレルギーがどんどん増えている。これは、汚れた水や土からできた作物を食べているためだ。 先日、ガンで余命数か月という方にお会いした。抗がん剤を打つのを止め、食べ物を変えると、白血球がどんどん増えていったという。検査数値も通常になったとか。しかし、肉を食べると数値が悪くなる。その方は今、いろいろなものを食べて、自分の体で実験している。数値が良くなる野菜を集めて、ジュースにして飲んでいる。そういう意味でも医者と農業の連携も、これから必要になるのではないかと思っている。

■岩元睦夫氏
有機農業に対する関心が皆さん高いが、脱原発や有機農業に人に対して「科学的ではない」と批判する人がいる。西洋で科学が誕生した時は、哲学があった。しかし、今は技術だけである。 明治時代、西周は、scienceの訳語に「科学(細かく分ける)」を充てたが、本来は「百科学(何でもあり)」と訳していた。今の科学は細かく分けるだけである。本来の農業は、こうした技術やシステムといった科学的な思考だけでは不十分であると思う。 安全は科学的に分析できるが、安心は個人の心の問題なので科学だけでは測れない。感性は、西洋とアジアでは違う。一見、同じことを意味する言葉でも、含まれているニュアンスが異なる場合がある。言葉を正確に理解しなければならない。「おもてなし」は、英語には翻訳できない。「おもてなし」など、英語に翻訳できない言葉だからと言って、ないがしろにしたり無視したりするのはおかしい。 有機的(organic)には、「biological(生物的)」という意味も含まれている。有機農業は、化学肥料を使わないというだけではなく、きれいな水や土、太陽や微生物を大切にするという意味まで含めて考えた方が良いのではないだろうか。

■小谷宗司氏
私は、薬草の生産や伝承事業の保存、環境問題などに取り組むNPOで活動している。由井大会長が最後に「日本の農業はこれからどうなるのか」ということを仰っていたが、私も明日の発表でそのことを取り上げていきたい。これからの農業は、是非、薬草の栽培も重要だということも加えていただきたい。 40~50年前は、土地は何にも代えがたい資産だったという意識があった。しかし、こうした意識で今の農地を見ると、休耕地が多く、耐えがたい状況だ。こうした土地を、本来の日本人の先祖が大切にしてきた農村に戻したいというのが私のほんとうの願い。 一人ではできることが限られるので、薬草の栽培の重要性をいろいろなところで広める活動をしている。植物性生薬の大半は、外国(中国)からの輸入に依存しているのが現状。これはとても危険な状態だ。依存度を低くするために、ようやく国も国内生産量を上げる取り組みを始めている。これらのことについて、明日、解説していきたい。レメディにも、生薬を使ったレメディをいずれ作ってほしい。

坂本幸資氏(元氣農業開発機構 副理事長)よりごあいさつ

 

「今日は、共催させていただき、ありがとうございました。長時間にわたるシンポジウムを大変たのしみにしていました。映像を見るととても迫力があり、農業の最前線で、地道に作物を作っておられるのを見るて、心を打たれました。明日もぜひ、勉強させていただきたいです。今まで、様々な農業現場を視察してきたが、「何か違う」と感じる現場もありました。しかし、日本豊受自然農の農場は、ふるさとに接したような印象を覚えました。日本豊受自然農の函南農場は、見学しましたが、今度はぜひ、洞爺農場も見学したいと思っています。明日また、シンポジウムでお会いできることを楽しみにしています。」とのあいさつをいただきました。

由井大会長総評・閉会あいさつ

本日のシンポジウムの総評として、由井大会長が以下の言葉で締めくくられました。

「これで1日目を終わります。発表者の方々には、本音で語ってくださって感謝です。日本は、工業が発達し、貯金もたくさん増えましたが、皆さん、幸せですか?自然豊かな風景が、いつの間にか失われてしまいました。私たちの心は萎えている。心を取り戻したくて、自然農を始めました。自然は、愛情をかけた分、手塩にかけた分、よく育ちます。サボテンで実験したところ、悪口をかけたサボテンは、腐って枯れてしまい、愛情をかけたサボテンは、よく育ちました。人間の子供もおなじです。人間も作物も、愛情をかければ大きく育つ。そうすれば、もっと良い世界になるのではないでしょうか。地球も同じです。日本に、「徴農制度」があったらいい。18歳か19歳くらいのときに、農業を徹底して1年やる。そうすれば、もっと農業について考えるのでないでしょうか。最後に、今日はずっと座っていたお尻に感謝しよう。ここ以外にも100名の方々が見ている。今回のシンポジウムは、3回目ですが、来年も開催するつもりです。もちろん、明日も。ではさようなら。明日も来てくださいね。」

本日、参加された皆様、インターネットTVを視聴された皆様ありがとうございました。

明日は9:00から開演となります。明日の参加をお待ちしております。