4月2日 午後の様子

事例発表:
松尾 敬子氏(ホメオパス、日本ホメオパシーセンター埼玉日高)
「親子3人の電磁波過敏症・化学物質過敏症が食とホメオパシーで改善したケース」

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松尾敬子ホメオパスによる「親子3人の電磁波過敏症・化学物質過敏症が食とホメオパシーで改善したケース」に関する症例発表がありました。

このご家族は、親子3人とも、当初、頭がぼんやりしたり、体中がふらふらしたり体の麻痺感や倦怠感があり、また電磁波などの影響から外出することもできない状態でした。

相談会を通して、食事を無農薬の野菜・無添加の食品に切り替えてもらう事、ホメオパシーも取り入れながら腸や肝臓などのサポートを行いました。その結果、特に酷かった日常の倦怠感や重苦しさ、だるさ、痛み等ぼ不快な症状が改善し、電車等での外出もできるようになり、長女は公務員に内定、次女は既に就職されているとのことです。

最後に今後ともこのような環境、症状に苦しんでいる方へサポートしていきたいとの思いが語られました。

このような電磁波過敏症や化学物質過敏症で苦しまれている方にとって、ホメオパシーで対処出来る可能性があることを示すケース症例となりました。

事例発表:
富田 沙織氏(ホメオパス、日本ホメオパシーセンター大阪本部)
「41歳男性の糖尿病が、ホメオパシー、食事療法の併用で迅速に改善したケース」

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富田沙織JPHMA認定ホメオパスから「41歳男性の糖尿病が、ホメオパシー、食事療法の併用で迅速に改善したケース」の発表が行われました。

クライアントさんは41歳の男性。仕事の忙しさやストレスから暴飲暴食、運動不足などの影響で、標準体重を30kgオーバーの状態で不健康な生活が続いてる状態でした。やがて頻繁な尿意や口渇感、体重の減少などの症状が出始めるようになり、健康診断の結果、糖尿病と診断されました。

すぐに入院してもおかしくない状態でしたが、あらためてクライアントさん自身も事の重大さに気づき、通院をしながらホメオパシー療法を受けられることを決意されました。

ホメオパシー健康相談会では、臓器のサポートや現状の体調に合わせたレメディーをとりながら、お味噌汁や納豆、お漬物などの発酵食品を食事に取り入れるなどの食の改善、睡眠時間をできるだけ取るように生活習慣の改善も合わせて取り組んでもらいました。

約3か月、こういった取り組みを続ける事で、血糖値は改善し、口渇感、頻尿など、糖尿病特有の諸症状を感じなくなりました。糖尿病が進行して起こっていた体重の減少も止まったそうです。糖尿病の数値は入院レベルの状態から薬を飲む必要のない状態にまでの改善が見られました。

早急な改善が望まれるケースでしたが、クライアント自身による生活習慣の改善や、ご家族による食事面でのサポートもあり、家族一丸となり薬に頼らず健康的に生きることを決意され真摯に取り組まれたことが改善の一番の要因となったケースでした。

事例発表:
月山 ハル氏(CHhom 4期生、インナーチャイルドセラピスト)
「インナーチャイルド癒し体験談」

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先月CHhom4年生を卒業したばかりのインチャセラピスト月山さんが、自分自身のインナーチャイルド癒しを通して得た気づきをご紹介しました。

20代の月山さんは、いつも満たされない不足感、無価値観、虚無感があり、生きることが苦しくこの世界から消えてなくなりたいと鬱になった時期もあったそうです。社会の中で自分の居場所をみつけられないまま、生きづらさの解決方法を探して、インチャ癒しをはじめたそうです。

両親が結婚をめぐり、自分を産む、産まないの話し合いを母のおなかの中で聴いていた胎児の頃に思いをはせ、両親が喧嘩するごとに自己否定感に陥り虚しくなった根源には、「裁かれ傷ついた胎児期のわたし」の悲しみ、切なさ、怒りがあることがわかりました。そんな傷ついた小さな自分に話しかけ、受け止め、抱きしめ、慰め、愛を注ぎ、インナーチャイルド癒しを続けていく中で、「この世界にわたしとして生まれてきてよかった」と心から思えた瞬間から、自分への信頼感がどんどん広がり、自分のニーズがわかるようになり、体も心も軽くなり、命の輝きを取り戻していくのを感じました。生きづらさは、自分で自分の命を否定することすなわち自己卑下から生じたものだったと気がつきました。自分が生まれてきたのは、自分を愛すること、無条件の愛に回帰し人を愛するため、自分の個性を生かし、この世界をよりよくしていくためだとわかりました。

今、月山さんは、自分を生きることが楽しくて仕方がないといいます。

かつての自分のように、否定感、自己卑下、うつ、虚無感に襲われている、20代、30代の人々の力、助けになれるよう、本当の自分に向き合い、癒し、認めていくことの大切さを伝えていきたいと月山さんは締めくくりました。

症例ポスター掲示

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今回は食や自然療法による治癒ケースを広く紹介する初の試みとして、昼食休憩時間を利用した上記3名の症例発表に加え、症例ポスター掲示も行われました。

事例発表:
深澤 史帆氏(日本豊受自然農(株) 静岡県函南農場 農業従事者)
「農ガール 函南農場体験記」

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富士山を見はるかす静岡県・日本豊受自然農函南農場から、深澤史帆さんが、豊受こだわりの自然農の様子と圃場風景を伝えてくれました。

多種多様な作物を栽培している豊受農場でニンジン担当の深澤さん、新卒入社当初はわからないことだらけで、せっかく蒔いた種が大雨で流されてしまったり、収穫物をなかなか掘り出せなかったりと苦労の連続だったと言いつつ、3年目の今は、失敗を糧にした工夫と努力が少しずつ形になってきていると振り返りました。

安心安全な食の提供を使命とする豊受自然農、その最大のこだわりは土づくり。植物活性液アクティブプラント、マザーチンクチャー、落ち葉堆肥、牛フン堆肥、ダム底の泥などの自然の恵みとホメオパシーの智恵を最大限に活かしてつくりあげた土壌に、自家採種した固定種・在来種を蒔いて、雨の日も風の日も日々愛情を込めて育てていく農作業の様子がDVDをまじえて伝えられました。

豊受の圃場はカエル、ヘビ、イノシシ、ハチなどたくさんの生き物の姿が見られるのだそう。その賑やかさはそのまま、圃場のいのちの豊かさの表れ、すなわちそこに育つ作物の安全性と自然なおいしさを物語るものと言えるでしょう。

豊受野菜と各種加工品は、東京・豊受オーガニクスレストランの食材として使われているほか、CHhomショップでの販売、全国に宅配もされています。

深澤さんは「まだまだ経験不足だけれど、少しでも多くの方々が食から健康になっていけるよう、精いっぱい貢献していきたい。みなさんも一度、函南農場ツアーにぜひお越しください」と明るい笑顔で呼びかけました。

事例発表:
吉田 光弘氏(日本豊受自然農 函南農場(静岡県) 食品加工責任者)
「自然型農業から食の改革へ」

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日本豊受自然農の吉田 光弘さんからは、どのような思いで、6次産業化を目指しているのか、具体的にどのように取り組んでいるのかに関して、発表されました。

豊受自然農では、在来種、固定種にこだわり、無農薬・無化学肥料、そして、愛情豊かな優しい心で育てられた野菜やハーブ達を原材料とし、「いつでもどこでも、安全安心。そして、美味しい」レトルト食品や黒大豆味噌等、現在50品目の加工品を作っています。

これからは日本の「食文化」の素晴らしさを取り入れた製品作りとして、発酵食品、竹粉、竹水入りの商品をさらに充実し開発していくとのことです。

「発酵食品」とは、乳酸菌・酵素などの働きで人にとって有用なものへ変化した食品で、発酵させることにより、栄養成分が高まり体内への吸収率もアップしていきます。多種類の発酵食品を食べる事が腸内環境を整え、より健康になっていくと解説されました。

最後に、豊受自然農では、身体にありがたいものを恵んでくれる自然のものすべてに、感謝の気持ちをベースとして、種や固定種・在来種にこだわり、「豊受の自然型農業」も「食」の改革に取り組んでいきたい。そして、日本人の「心」・「身体」・「魂」の真の健康を願い、皆様に自然で「安心」「安全」なものを食べたり使っていただくために 絶え間なく、弛まぬようにやっていきたいとの熱い思いが語られました。

来賓講演:
片野 敏和氏(JA函南東部 代表理事組合長、酪農王国オラッチェ代表、有限会社片野牧場代表)
「オーガニック酪農30年の挑戦と今後の展望」

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酪農家としてスタートし、今は、3つの仕事を持つJA片野組合長は、オーガニック酪農を確立するに至るさまざまな厳しい状況の中、選択をせまらせながらも、曲げることができなかったオーガニック酪農への強い思いがありました。

丹那牛乳の進むべき道は、地元の牛乳の良さを最大現に引き出せる、また、消費者に本物の牛乳供給できることと決断して、低温殺菌の牛乳の製造、そして、与える穀物についても、妥協をせず、遺伝子組み換えをしていないNON-GMO穀物に限定し、穀物に農薬を散布することが通常のところを農薬を使わない方法にてカビも防止することにこだわった丹那牛乳が他にないこだわりの商品となったこと、そして、6次産業化にも取り組み、酪農王国オラッチェというテーマパークを作り、この丹那牛乳から作られたチーズやバターなどの商品は他にないものであるとのことが話されました。

20年前は、安心安全よりも安いものがよいという時代、苦しい経営の中、なぜ食の安心、安全にこだわっているのかをわかっていただく苦労されたとのこと。しかし、今は理解もすすむ時代となり地域へ貢献もできる施設となり、オラッチェの存在価値も評価されるようになったとの歴史をお話いただきました。そして、同じ函南町にある日本豊受自然農の由井大会長との出会いについてを語り、由井大会長のその思いの強さ、考え方に引き込まれ何とか由井大会長の思いを形にしていかなければという気持ちになったとのこと。

また、片野組合長は、今のTPPの問題など国政の状況では、本当に日本の農業が守れるのか、安心安全な農産物が守れるのか大きな疑問を投げかけたい訴えられました。

何にも変えられない安心、安全へのこだわり、安心できる食材を食べていただきたいという思い、これは、豊受自然農の由井大会長と同じですと話され、安心安全にこだわった食材はコストがかかる、手間がかかること、これは健康と引き換えであることをよくよく理解していただきたいと話されました。

最後に、豊受自然農とJA函南東部、丹那牛乳、酪農国オラッチェとのパートナーシップを今後もつなげていくことを願って、「TTOP」と命名され、地域を活性化について活動していきたいと抱負が語られました。

基調講演:
由井 寅子大会長(日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)会長、農業生産法人 日本豊受自然農代表、百姓、ホメオパス)
「自然回帰 日本再生は自然な農林業と自然な心」

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由井大会長の発表では、今回のシンポジウムのテーマでもある「自然回帰」について私たちに訴えかけるお話から始まりました。

私たちの命は自然の営みに属しており、自然を守ることは人類の命や生き物の命を守ることに繋がっている。200年前、サミュエル・ハーネマンも自然から逸脱することが病気の元であると言いました。私たちが自然に立ち返り、自然の一部として、自然に生きるにはどうすればいいのでしょうか?

由井大会長はまず、人々がより良く生きるために、自然な食が大切であり、そのために自然な種を守ることを強調されました。

現代は不自然な食の問題が蔓延し、それによるミネラル不足による病気が増えています。由井大会長が担当した相談会のケースを紹介しながら、食原病の問題提起とホメオパシーによる解決策を提示しました。

最初に上映したのは、脊柱の腫瘍による肋骨部から脚にかけての痺れ、左半身全体の不調の患者さんのケース。このケースからは腫瘍の原因にミネラル不足があること、良い塩を摂ることで体内に様々な良い影響をもたらすことを学びました。

ホメオパシーと自然な食生活に変えていくことでどんどん回復していく映像には参加者の皆さんも食い入るように見つめ、大きな気づきを得たようです。

次に紹介したのは、指の壊疽、強皮症という難しいケースです。

このケースでもホメオパシーと食の改善により、壊疽の進行が止まり、奇跡的な回復が見られました。

このケースの問題点は現代の家畜の肉を食べることによって体の酸化などの様々な悪影響が引き起こされること。ホメオパシーと食の改善に加え、インナーチャイルドや霊性的アプローチなども含めたZENホメオパシーによって、 体、心、魂の素晴らしい治癒が導かれました。

間違えた食の認識が健康を害すること、日本古来の食と農業の欧米化、大規模化によって日本の食と農業が死に、国が滅びてしまうことを強く指摘しました。連日メディアで森友学園問題が大々的に報道されている間に、これまで日本古来の品種を奨励し、日本の種を守ってきた「種子法廃止」の法案が衆議院で可決され、現在参議院に送られています。

先祖から伝わる米、麦、大豆などの種子を都道府県が守り継ぎ、農家に安定供給するインフラがなくなり、これによってモンサントなどの国際種子メジャーに主食の米や主要穀物供給の自由を奪われ、この分野に遺伝子組換えなどの安全性に問題がある種が導入されることが懸念されます。

日本は抜け道だらけの食品表示のシステムを採用しているため、国民には知らされずに今や中国とともに、GM(遺伝子組換え)食品、飼料の世界1、2の輸入国となって国民がGMOを大量に口にしていますが、遺伝子組換え(GMO)の食品をとることで、その遺伝子が人体臓器の遺伝子情報に影響を与え、臓器の変質につながるという海外の研究が引用紹介され、衝撃を受けていた人も多かったようです。

F1種、雄性不稔のおしべが形成されないような奇形の種を日本人が半世紀以上とり続けてきたことが、一部のミネラルの不足などから少子化につながっているのではという懸念も示されました。

日本豊受自然農は自然な種による農業を守るため、種子法廃止に反対し、自然な種で自家採種での農業をより一層推進していきます。豊受自然農では、自然な種、自然な土、自然な食を使って、人を良くし、人々の健康を守る活動を行っています。

最後に豊受での土づくりの活動を記録したダイナミックな映像を紹介しました。

土への愛と感謝と土地の神様への信仰心があふれる土づくりの作業の様子には豊受自然農の皆の心があらわれているよう。由井大会長の発表は盛大な拍手とともに幕を閉じました。

4月に、由井大会長の理念をもとに新たに日本豊受自然林が立ち上がり、今回のシンポジウムでは豊受自然林の新しい製品として、豊受自然林めぐみ茶、めぐみ香、めぐみ竹の粉が販売されました。

ますます発展する豊受自然農と豊受自然林、由井大会長の活動を応援よろしくお願いします。

来賓講演:
稲本 正氏(正プラス株式会社 代表、オークヴィレッジ会長、NPO法人ドングリの会・会長、作家、工芸家)
「森と生きる -Evolve with Forest-」

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1974年、飛騨高山の農家の納屋を出発点に「オークヴィレッジ」を創設し、"森と生きる"をテーマに環境との共生を目指したモノ造りを実践してきた稲本正氏に、二十余年にわたる活動と今後の展望についてご講演いただきました。

もともと原子物理学専攻だった稲本氏、学者畑から「緑の生活」へ転身したのは、天才物理学者シュレディンガーの「地球を浄化するのは植物圏でしかない」という言葉がきっかけだったのだそう。

日本の森に生育する木を素材としたモノ造りは家具、玩具から建築まで幅広い展開をみせていますが、真の循環型企業にしたいという願いから、

①木が生きた年月と同じくらい永く使い続けられるモノ造り
②暮らしのさまざまな場面で自然素材を活かし隅から隅まで使う提案
③使ったら植えるの発想で広葉樹の植林・育林に尽力 を基本理念としているといいます。

二十数年かけて緑ゆたかに生い茂る森に成長した写真を指して「日本の国土は100本の木を植えたら90本が立派に育つ。中国なら1割ほどしか育たないでしょう」と言う稲本氏。日本は国土の67%が森林で、世界第3位の森林国であるばかりでなく、上位森林国が針葉樹林だけなのに比べ、日本は亜寒帯から亜熱帯までを網羅し多種多様な生態系を抱く樹木の宝庫でもあるとして、日本の国土がもつ潜在的な豊かさを強調しました。

稲本氏はまた、世界の森をまわって研究を重ねる中で、千年も生き続ける樹木の力の源が「アロマ=香り」にあると知り、日本の樹木のアロマ製品の研究・開発に力を注いでいます。

クロモジ、ヒノキ、アスナロ、ミズメザクラといった樹木のアロマが、認知症、睡眠障害、イライラ、筋の硬化などに効果をあげるという実験結果が出ているそうで、稲本氏は「抗酸化能は確実にある。樹木から精製した芳香蒸留水の持つ生命エネルギーが人間の健康にも活かされ、セルフメディケーションや医療現場への応用が期待される」と語りました。会場ではタイムリーにアロマのテスターが配られ、実際に香りを体感しながらの聴講となりました。

アロマオイル、アロマウォーターの製造にあたっても、稲本氏が何よりも大切にしているのは「森を大切にしながら採る」こと。枝葉しか使わず、水蒸気蒸留法によりエッセンスを採取することで、翌年にもふたたび採れるのだそうです。

「いまだに世の中は本当の林業への理解が乏しい現実がある。しかし世界の歴史を振り返ると、実際に歴史を変えた人間というのはたいした数ではない。新しい潮流を作り出す少数の人がいて、それを伝えるアーリーアダプターという人々が出現し、さらにある人数にまで達した瞬間に一気にワーッと広まる。それが新技術の伝搬過程。今、その直前にいるので、どこかに突破口が開ければ...と思っています」と抱負を語りました。

来賓講演:
船津 準二氏(山本幸三内閣府特命担当(地方創生・規制改革)大臣 特別顧問)
「日本の潮流は原点回帰へ動きだしてきた」

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船津 準二氏からご講演いただきました。 船津氏は山本幸三内閣府特命担当(地方創生・規制改革)大臣の特別顧問をされております。

日本再生のキーは、自然を中心としたやり方に戻る「原点回帰」が大切であることを様々な観点から話されましが、最初に、「原点回帰」という日本再生(地方創生)の骨子につながる部分は由井大会長の基調講演の中でもすでに触れられていたことも付け加えられ、ご自身の講演を始められました。

地方創生とは何か、長年、自問自答してきて、やっと自分なりに答えが出せるようになっていたとのことです。自分の役割は大臣の地方創生に関する考えをいかに具現化し、現場の実態を的確にとらえて中央と現場の乖離がないように提言することであり、自分は現場主義で現地に足を運び、実情把握に努めてこられたとのことです。

船津氏のこれまでの経験と模索を通して気づいた点は

①「原点回帰」に基づかないと地方創生では実効成果はあげられない。
②補助金制度への依存と縦割りの習慣を自治体が自ら断ち切り、地方自治の本旨に基づき、立ち戻らないと前に進まない。
③地元の農業など協同組合、商工会などの経済活動団体が、地域振興を目的とした原点を共有して共同活動を起こすこと、及びOBの人たちも含めた総力戦を展開すること。
④地方創生へ必死に取り組んでいるニュータイプの職人集団が創出したイノベーション技術の活用すること。

また、原点回帰に関して、地域運営組織を明治の市町村合併以前の7万を超える伝統的な原点の単位を見直した推進や旧小学校区を活動拠点にした推進、その地の人材、産業人、職人が主役の地方創生の提案や、世界農業遺産にも佐渡、石川はじめ次々指定されている日本が戦前まで世界に誇ってきた有機農法の復興を地方創生の六次産業化などと組み合わせて行うことなどの視点から、ご自身で本日のシンポジウムに向けまとめられた提言を発表されました。

今回の講演で、船津準二氏は、地方創生、日本再生のためには、農山村の活性化や農商工連携、官僚、縦割り行政を超えた取組み、地元支援でのビジネス創出、補助金制度に依存しない地方自治などが大切であることを力説されました。

パネルディスカッション

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ご登壇いただいた演者のみなさま

船津準二氏、稲本正氏、佐野孝志氏、片野敏和氏、小谷宗司氏、由井寅子大会長

自然回帰をテーマにさまざまな演者の登壇された、第6回の日本の農業と食のシンポジウム。大会長、来賓演者のみなさまがそろった最後のプログラムとして、自然回帰に対しての司会からの問題提起に対して、それぞれの立場から本質的な自然回帰への解決策が提案されました。

閉会の挨拶

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最後に由井寅子大会長より、多くの参加者とゲストの方々に支えられ、本日素晴らしいシンポジウムが開催できたという感謝の気持ちと、私たちが心も体も魂も自然回帰していくことの大切さ、そして本大会が皆様に良い影響が伝わったことを心から願うとの大会長のメッセージとともに、会場からの大きな拍手で、第六回 日本の農業と食シンポジウムは大盛会の中、幕を閉じました。

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